9月24日の夕方から降り続いた大雨で、バンコクでは広い範囲で道路の冠水が起きました。バンコク都は9月26日、都内全50区を防災法に基づく「災害地域」に指定しています。27日にかけて雨は弱まりつつありますが、東部の運河の水位はまだ高く、都は排水に2〜3日かかる見通しを示しています。現地で働いている方、これから渡航を予定している方に向けて、9月27日時点で確認できた情報を整理しました。
※本記事の画像はイメージで、実際の現地の写真ではありません。被害の数値は発表元と時点によって異なるため、日付と出典を添えています。
【何が起きたのか】
・タイ気象局の予報によると、ベトナム中部沖の低気圧がタイの東部・中部へ進み、強まった南西モンスーンと重なったことで大雨が続きました
・タイの気象当局によると、バンコクでは24〜27日に、一部の地域で330mmを超える雨が降りました(AFP通信)。共同通信は、雨が約48時間にわたって降り続いたこと、短時間の雨が多いタイの雨季でこれほど長く冠水が続くのは珍しいという指摘を伝えています
・バンコク都は9月25日に東部の3区(ノンチョーク、スアンルアン、カンナーヤオ)を災害地域に指定し、26日に全50区へ広げました
・タイ防災局(DDPM)の集計では、影響を受けた人は9月26日朝の時点で21県・約8万5,000人(約2万7,000世帯)でしたが、27日には25県・54万人超(AP通信)と伝えられており、時点によって大きく増えています
・避難した人の数も、981人(9月26日、バンコク都知事の発表)から約4,900人(27日、AFP通信)まで、時点と出典によって異なります
・バンコク近郊のサムットプラカーン県では、冠水した場所での感電による死亡事故が報じられています(Khaosod English、Thai Examiner、9月27日)。地方でも、土砂崩れや鉄砲水による死者が出ており、AP通信は過去10日間の全国の死者を少なくとも8人と報じています
【バンコク市内で冠水が伝えられた主な地域】
・水が特に深いとされたのは、ラートクラバン、ノンチョーク、ミンブリーなどの東部の地区です。ラムカムヘン、バンカピ、ディンデーンでも冠水が伝えられています
・冠水が確認された主な道路には、スクンビット(一部区間)、オンヌット、ペッチャブリー、パッタナカーン、ラチャダー、ラープラオなどが含まれます。9月26日には、エカマイ通り(スクンビット・ソイ63)などで小型車の通行を控えるよう呼びかけが出ました
・冠水した道路の数は、集計元は異なるものの、9月26日の93路線(バンコク都知事)から27日には31路線(AP通信)と伝えられており、水は引きつつあります
・チャオプラヤー川上流(ナコンサワン)の流量は、2011年の大洪水時の半分以下とされています(9月26日時点、The Nation)
【交通・空港(9月26〜27日時点)】
・MRT(ブルー、パープル、イエロー、ピンクの各線)は通常運行です。BTSの運休は報じられていません
・スワンナプーム空港とドンムアン空港は、どちらも運用を続けています。遅延は出ていますが、大規模な足止めは伝えられていません
・スワンナプーム空港へは、冠水の深いラートクラバン方面を避け、高速道路(モーターウェイ7号線など)を使うよう勧められています。エアポート・レール・リンクは運行しています。国際線は出発3時間前の到着が目安とされています(タイ国政府観光庁)
・国鉄は、北本線が27日朝に運行を再開しました(一部の列車は運休・区間短縮)。東本線でも一部の運休や区間短縮が続いています
・9月28日(月)はバンコク都立の学校が休校となり、都の職員や公務員には在宅勤務が勧められています
【今後の見通し】
・タイ気象局は、低気圧が28日以降にミャンマー方面へ抜けて弱まり、天気は回復に向かうと予報しています。一方でロイター通信は、28日も局地的な大雨の可能性があり、主要な運河の水位は周辺からの流入で高止まりしていると伝えています
・タイの北部・中部・バンコクの雨季は10月中旬ごろまで続き、9〜10月は1年で最も雨の多い時期です
・専門家は、2011年の大洪水の再来は「ほぼあり得ない」としています。2011年はラニーニャの年で熱帯低気圧が5つ影響したのに対し、今年はこれまで影響した熱帯低気圧がなく、8月時点の浸水面積も2011年の10分の1以下でした。ただし、短時間に集中して降る雨による都市部の冠水には、引き続き注意が必要としています
【現地にいる方へ:身を守るために】
・冠水した道路は、できるだけ歩かないでください。水の中では、街灯や電柱からの漏電による感電の危険があります(タイの電圧は220V)。9月24日にはパタヤで、冠水した道路を歩いていた外国人の男性が水路に流される事故も起きています
・足に傷があると、汚れた水から感染症(レプトスピラ症など)にかかるおそれがあります。水に触れた後はよく洗い、発熱などがあれば医療機関を受診しましょう
・出勤や送迎の予定は、勤務先や寮の管理者と早めに連絡を取り、無理に移動しないことを優先してください
・洪水について、AIで作られた偽の画像が出回っているとの報道もあります。情報は公式の発表で確かめましょう
【確認先・緊急連絡先】
・防災(タイ防災局):1784
・救急:1669
・ツーリストポリス:1155
・バンコク都コールセンター(24時間):1555
・タイ国政府観光庁(TAT)コールセンター:1672
・バンコク都の道路冠水情報:floodbangkok.bangkok.go.th
・日本人向けの安全情報は、在タイ日本国大使館と外務省海外安全ホームページで確認できます。外務省の「たびレジ」に登録しておくと、現地の安全情報をメールで受け取れます
【これから渡航する方へ】
・空港は運用を続けていますが、空港までの道路や鉄道の一部に影響が残っています。出発前に航空会社と受け入れ先に、現地の状況を確認しましょう
・到着が予定より遅れることも考え、空港からの移動手段と初日の滞在先を事前に確認しておくと安心です
・雨季の渡航では、防水の靴やレインウェア、モバイルバッテリーがあると役立ちます
・参考までに、9月27日時点のタイバーツは1バーツ≒約4.71円で、8月7日(約4.78円)からは約1.5%のバーツ安です。為替は常に変動するため、最新のレートを確認してください
【まとめ】
今回の大雨は27日にかけて弱まりつつありますが、排水には数日かかり、雨季も10月中旬ごろまで続きます。情報は日付と発表元を確かめたうえで、無理な移動は避けてください。渡航の時期や現地での働き方で迷うことがあれば、KaigaiQのLINE相談からお気軽にお問い合わせください。
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